翻訳業界は、とりわけ未経験者に厳しい業界です!
仕事の受注以前の問題として、翻訳者として活動すること自体が非常に難しいです!
それは、基本的に「未経験者お断り」の壁があるからです!
翻訳者になりたいと考えた場合、通常、翻訳会社のトライアルという登録試験を受験します。
受験の結果、翻訳会社が求める水準に達していれば、晴れてその翻訳会社に登録され、都度、仕事を発注してもらえるようになります。
ここで問題となるのが、
トライアルを通過できる実力・・・
ではありません!
トライアルの受験資格です!
多くの翻訳会社が、数年間の翻訳実務経験を受験資格に挙げているのです。
従って、HSK6級で180点以上を取得していたとしても、その実力をみてもらうことすらできないのが、今の翻訳業界の現状です。
当時、未経験者はどう頑張っても翻訳者になれないのではないかと思い、途方にくれたのを覚えています。
実務経験が必須でありながら、肝心の経験を積む場が無いのですから!
【写真1.1】雄大な庭園のなかに造られた回廊。その優美な佇まいは、後宮を想起させる(出典:写真ac)。
話が少し脇道にそれますが、未経験者に厳しいと言われる「経理職への転職」ですら、ここまでではありません。
経理の仕事は、「高い専門性が要求される仕事である」という認識が世間一般にあるからでしょうか?
未経験者が応募しても、採用されにくい職種だと言われています。
私は会社員生活の大半を「総務経理」として過ごしてきました。
その経験からも言えますが、「経理への転職」もここまで厳しくありません。
しかも、経理への転職は、「正社員(無期雇用)」としての転職です!
それに対して、翻訳会社と翻訳者の関係は、業務委託契約です!
力不足の翻訳者には、二度と仕事を発注しなければ済む話です!
法的責任を問われることはありません。
労働基準法でしっかり守られている正社員とは、大きく違います!
そういう訳ですので、翻訳会社には、もう少し未経験者に対する門戸を広げてもらいたいですね。
以上、スタートラインから出鼻をくじかれた私は、なんとか翻訳者になる方法がないものかと、模索しました。
その結果、下記の3つの方法が、希望が残されているルート(抜け道?)であると分かりました。
それは、次の3つです!
①クラウドソーシングで実務経験を積み、翻訳会社に応募すること
②翻訳会社が運営する学校を修了すること
③翻訳会社が実施する検定試験に合格すること
このなかで私は、②と③の方法を並行して進めていくことに決めました。
以降、そのプロセスについて述べていきます。