この記事は、私が留学後の就職活動で大敗を喫した経験を基に、これからの方々が同じ轍を踏むことの無いようにまとめました。
第一に、留学から帰国後の就職活動の大変さは、想像を絶する苦労があります!
私は、自分自身を含め、日本人留学生の帰国後の就職活動を数多くみてきました。
その多くが失敗に次ぐ失敗を重ね、気付けば一年以上も就職浪人をしていたという例も珍しくありません。
そこで、なぜそのような事態に陥るのか、また、同じ轍を踏まないようにするためにはどうすれば良いのかをまとめました。
前編と後編の2回にわたって記事にしますので、留学予定または留学中の方の参考になれば幸いです。
就職活動に失敗しないために最も必要なこと、それは次の3つです!
①「外国語」を活かした仕事にこだわらないこと
②留学前に、同一職種で「3年以上の仕事経験」を積んでおくこと
③就職活動開始時における年齢が、35歳未満であること
なかでも、①の外国語を活かした仕事にこだわらないことが、一番重要です!
留学経験者の多くは、せっかく学んだのだからと、中国語を活かした仕事に固執します!
これが、就職活動を泥沼化させる第一歩です。
残酷な話ですが、企業は留学経験を評価しません(少なくとも私の知る限りは評価されませんでした)!
中国語ができるから引く手あまただろうと考えるのは、思い上がりに過ぎません!
確かに、我々は貴重な時間とお金を費やして中国語を学びました。
慣れない海外において、努力してきました。
日本人留学生で集まっては、帰国後に待ち受ける輝かしい(と思い込んでいた)未来について、熱く語り合いました。
帰国後は、外国語を駆使して、世界を飛び回るような華やかな仕事をしようと誓いました。
しかし、そのことは一切忘れるべきです!
基本的に、私を含めた留学経験者は下記のような仕事を志望します。
①メーカーや商社の海外営業職又は貿易事務職
②旅行代理店における営業職や事務職
③外資系ホテルのフロントやコンシェルジュ
④外務省専門職員等の国際関係の仕事をする公務員
ただ、応募をしても、民間企業では書類選考で落選し、公務員試験では筆記試験で不合格となります。
【写真3.1】美しい中国の夜の街並み。高級レストランやカフェが整然と軒を連ねる(出典:写真ac)。
私が落選・不合格となった理由は、今となっては痛いほどによく分かります。
仕事は、外国語(中国語)だけで遂行できるものでは無かったのです!
いずれ別カテゴリーで記事にしたいと思っていますが、「基礎学力」と「コミュニケーション能力」が本当に大切であったと、今更ながら感じます。
それだけでなく、技能面に目を向けても、事務職ならば、外国語以外に、Excel等のPCスキルや電話対応等のビジネスマナーが必要です。
営業職ならば、扱っている製品知識や業界の知識、そして「セールススキル」が必要不可欠でしょう。
しかし、就職活動を開始した当初は、そのようなことは全く想像がつきませんでした。
中国語を使用して華やかに働く姿だけを妄想していました。
そして迎えた就職活動、不合格を何度も重ねて、はじめて自分の思い描いていた将来像が、単なる夢物語であったことを自覚しました。
当時の私は、本当に思いあがっていたのです。
帰国は輝かしい未来への一歩ではなく、現実と向き合うことからの始まりでした。
以上、まとめると、次のようになります。
①留学経験があっても、「それだけでは」中国語を活かした仕事に就けない
②中国語の仕事を一旦諦めることが、就職活動の成功に繋がる
もちろん、永久に中国語を活かした仕事を諦める必要はありません。
社会経験を積んでから、再度挑戦すれば良いのです。
それは、3年後かもしれませんし、10年後かもしれません。
私が翻訳者になったのも、日本に帰国して15年以上経ってからです。
では、留学しても中国語を使用した業務に就ける可能性は、全くのゼロなのでしょうか?
それは、必要な仕事経験を留学する前に積んでおくことで、ゼロどころか、可能性が大きく上昇します。
この点について、後編で詳しく書きます。
ただ、留学する前か後かの違いだけで、仕事経験が必要であることには変わりありません。
以上、留学予定または留学中の方のご参考になれば幸いです。