この記事では、私がよく質問を受ける、「中国の大学に入るために必要な中国語力」と「入学の時期」について書きます。
まず、中国語力についてですが、必要なのは、HSKという中国語の試験におけるスコア取得です!
HSKとは、中国語版TOEFLのような存在です!
米国の大学に入学するのにTOEFLの受験が必要なのは有名です。
一方、中国の大学の場合は、HSKという中国語試験において、一定以上のスコア取得が入学の条件となります。
必要なスコアは、入学を希望するのが、「本科」なのか、それとも「漢語本科」なのかによっても異なります(本科と漢語本科についてはこちら)。
漢語本科の場合、中国語力不問の大学も多くあります。
漢語本科はそもそも中国を学ぶための課程ですから、不問でも構わないと考えられています。
反対に、本科は「中国語」で「経済学等の専門科目」を学ぶのですから、中国語が理解できないと、講義についていけません。
よって、それなりの中国語力を求められます。
むしろ、中国語力が低いままだと、入学してから苦労します。
中国における有名大学の多くは、入学資格として、HSK5級の試験で、180点以上のスコア取得を条件として挙げています。
HSK5級において180点以上を取得するには、1,000時間を超える勉強時間が必要となります。
そのため、まずは語学留学して中国語を学び、それから大学の本科に入学するという人が多かったです。
なかには、十分な中国語力を身に付けてから本科に入るという考えで、3年以上も語学学習に費やしている人もいました。
【写真2.5】美しい中国庭園。まるで物語の一場面のように、芸術的な造りである(出典:写真ac)。
さて、この入学の時期について、私個人として思うところがあります。
それは、できる限り早い時期に、本科に入るべきということです!
中国語力に関しては、入学に必要な最低ラインをクリアできる程度で構わないと思います。
なぜなら、どれだけ中国語に磨きをかけても、講義の内容を理解することは、どのみち不可能だからです。
自身の実体験から断言できます!
私は、たまに中国の大学から配信される「会計学」等の講義動画を視聴することがあります。
中国語力に関して、私はHSK6級(最高級)200点超です。
会計知識に関しては、国立大学で会計学を専攻し、総務経理の仕事経験が5年以上あります。
それでも、動画を聴いて理解できるのは、30%前後です。
要は、いくら中国語を勉強しようとも、完全に理解することなど出来るはずがないのです。
そうであれば、中国語非ネイティブの我々ができることは、日々の予習・復習に心血を注ぐことではないでしょうか。
よって、あくまで私個人の考えですが、中国語学習は最低限にして、入学してから努力する方が、生産的であると思います。
以上をまとめると、次の3つになります。
①大学入学に必要な中国語力は、有名大学の本科でHSK5級180点程度
②漢語本科であれば、中国語力を問わない大学も多い
③本科に入学するなら、中国語学習はほどほどにして、なるべく早い時期にすべき(入学後に努力することの方が大切)。
以上、中国の大学入学を検討している方の参考になれば幸いです。