今回の記事では、2018年度全国通訳案内士二次試験における、通訳並びに実務質疑課題を受験したときの感想を書きます。
通訳・実務質疑における反省点は、「2021年度となった今でも、よく分からない」というのが正直な感想です。
そこで、次回は、受験記だけを記事にして、総評については、後日、別途記事にします。
さて、試験の手応えですが、通訳については、大きな失点は無かったと思います。
それは、課題として出された文章自体が、平易なものだったからです。
課題は「銭湯」を紹介するものでした。
銭湯の歴史とその効用、今も人々に愛されていることなど、およそ100文字程度の文章が出題されました。
この100文字程度の文章は、試験官が日本語で読み上げます。
受験者は、試験官の読み上げ終了後、その内容を直ちに外国語(中国語)でアウトプットします。
尚、試験官が読み上げる日本語について、メモを取ることが可能です。
試験運営側によって、予め「ペン」と「メモ用紙」が用意されています。
この通訳については、まだ良かったのですが、反省すべきは、引き続き行われた「実務質疑」です。
ここで、通訳と実務質疑試験のガイドラインを下記に載せます。
試験委員が読み上げる日本語を外国語訳し、その問題文に関連した質疑を行う「通訳案内の現場で必要となる知識等に関する外国語訳及び全国通訳案内士として求められる対応に関する質疑」
以上のように、ガイドラインには「問題文に関連した質疑を行う」とあります。
実際、実務質疑において提示されたのは、通訳と同じ「銭湯」に関するものでした。
【写真4.8】美しい中国の大自然。週末は都会の喧騒を忘れ、こういった場所で過ごしたい(出典:写真ac)。
実務質疑では、日本語の文章が書かれたA4用紙を渡されます。
用紙には、実際の通訳ガイドにおいて起こることが予想される何らかの事例(トラブルものが多い)が書かれています。
それを30秒で黙読し、試験官を訪日観光客に見立てて何らかの提案をするというものです。
さて、私に渡された用紙に書かれていたのは、「訪日旅行客のお客様が、身体にタトゥーがあるため、銭湯への入場を断られた。お客様は銭湯を楽しみにしている。交渉も試みたが駄目であった。どうすればよいか?」というものでした。
このとき、私が提案したのは、「他の銭湯を探し、交渉してみる」というものでした。
本当にダメな回答でした。
日本の銭湯は、どこへ行ってもタトゥー禁止です。
他を探しても同じくお断りされて、時間を無駄にするだけです。
案の定、試験官から、それは難しいのではないかと言われてしまいました。
それに続いて、試験官から次のような提案がありました。
「我々訪日観光客のタトゥーは、ワンポイントの小さいものである。それならば、何かシールのようなもので隠して入湯できないか」というものでした。
その瞬間、ハッとしました。
確かに、タトゥーコンシーラーという便利なものが存在します。
後の祭りだと分かりましたが、教えてもらったタトゥーを隠すシールを貼り、入湯しましょうと改めて提案しました。
ここで、制限時間となり、二次試験は終わりました。
以上、2018年度の全国通訳案内士二次試験の受験記でした。
この先受験を考えている方の参考になれば幸いです。
次回から、2019年度の受験記を書きます。