2019年度の通訳(外国語訳)・実務質疑を経て分かったことは、「通訳課題のなかから、実務質疑のヒントを拾える場合がある」ということです!

 2019年度の通訳課題、私が出題されたのは、「桜前線」に関するものでした。

 内容としては、「桜前線は、桜の開花予想が日本地図上に表されるもので、日本列島を北上していく」というものです。

 2018年度と同じく、分量は100文字程度でした。

 今回の通訳課題で感じたのは、通訳の難しさでした。

 前回は、初受験で緊張していたこと、そして、通訳で出題された課題が易しいものであったため、特に気には留めていませんでした。

 しかし、今回、課題が難しいものであったこともあり、自分の通訳の力に不安を感じました。

 ただ、「自分はガイドの資格を取得しようとはしているが、プロの通訳になるつもりはない」と考えていたことから、この一抹の不安をあえて無視しました。

 このときは、後日、通訳力の低さを後悔する日が来るとは、全く想像していませんでした。

【写真4.10】ライトアップされた中国の庭園。まるで極楽浄土にいるかのような、幻想的な魅力を醸し出している(出典:写真ac)。

 さて、通訳課題が終わった後は、引き続き実務質疑が行われます。

 質疑で問われる内容は、通訳で出題された内容に関連するものです(試験ガイドラインに記載されている)。

 私が出題されたのは、次のような内容でした。

 「訪日観光客のガイドにおいて、東京の桜を観賞する予定だったが、既に散ってしまっていた。お客様は桜の花を観るのを大変楽しみにしており、何か方法はないものか?」

 条件:お客様は個人旅行であるため、旅程に関する制約は無い

 普段、私はかなり鈍感なのですが、このときは意外と冴えていました。

 通訳課題において、桜前線が北上するという文言があったことに直ぐに気付くことができました。

 ただし、ここからが問題でした。

 私は、「東京よりも北方にある、栃木県へ行けば桜がまだ咲いているかもしれませんので、如何でしょうか?」と提案しました。

 それに対し、「提案したその場所の桜は、魅力的なのか?そもそも、そこへ行けば、本当に桜が咲いているのか?」と質問されてしまいました。

 この質問に対し、私は上手く回答を返すことができませんでした。

 一瞬迷ったのが、全国的に有名な青森県弘前市の桜祭りです。

 私自身、行ったことがあるので、その魅力は十分に理解しています。

 しかし、東京都と青森県の間には、相当な距離があります。

 そこで、北関東で桜の名所はないかどうかを考えているうちに、試験官から質問がありました。

 「現在、どこで桜が咲いているのか調べる方法は無いのか?また、併せて桜の名所も調べられないか?」というものです。

 そこで、ようやく気付きました。

 「スマートフォンで開花情報と名所を調べる」と答えれば良かったことに!

 その後は、「ではどこに行くのか」と聞かれるはずなので、その場所も併せて伝えれば及第点だったのでしょう!

 2018年度同様、試験官が模範解答のヒントを提示してくるパターンは、「不合格」となる場合です。

 かくして、2019年度の結果も、サクラサクにはなりませんでした。


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