第2回の記事では、特別捜査官のなかでも、私が受験した「国際捜査官」について解説します。
第1回はこちら(特別捜査官受験記!(第1回)その試験の実態とは?【記事3.4】)
この国際捜査官の一次試験で要求される中国語力は、「中国語検定準1級」レベルです!
国際捜査官とは、国際犯罪を専門的に扱う警察官です。
一定規模以上の都市で募集が行われ、私が知る限りでは、東京都、神奈川県、埼玉県、栃木県、愛知県、福岡県、宮城県等で求人が出されたことがあります。
ただ、毎年募集されるわけではなく、1~3名程度の求人が出される年度から、求人が全く無いときまで、さまざまです。
国際捜査官は、各都道府県単位が警察官を募集する際、併せて求人が出されます。
呼称に統一的なものはなく、自治体によっては、「国際捜査(中国語)」、「国際犯罪捜査官」、「警察官(中国語区分)」等と呼ばれることもあります。
そのなかで、私は2つの自治体を受けました。
国際捜査官採用試験の科目は、一般の警察官志望者が受験する科目に、中国語の筆記試験が加わるかたちです。
そして、中国語の肝心の難易度は、下記の通りです。
1つめの自治体は、「中国語検定試験準1級」からの抜粋で、リスニングとリーディングで構成。
2つめの自治体は、「(旧)HSK初中等」からの抜粋と中国語による作文問題で、リスニングとリーディングで構成。
(旧)HSKの初中等の難易度は、現在のHSK5級相当だと言われています。
両自治体とも、問題のレベルとしては、非常に高いと思います。
中国語検定準1級は、2年程度の留学を経てやっと合格できる試験です。
(旧)HSKの初中等も、高得点を取得するには、やはり2年近いの留学が必要でしょう。
よって、一次試験に合格するのは、留学経験者を除けば、東京外国語大学クラスに限られるでしょう。
これほど高い中国語力を要求しているのは、警察関係では語学研修の機会が豊富であることに起因しています。
多少中国語を操れる人材ならば、内部で養成できるので、外部からわざわざ採用する場合は、必然的に要求が高くなるのです。
【写真3.5】眩いばかりにライトアップされた中国の高級ホテルと電波塔。まるで近未来の風景である(出典:写真ac)。
さて、2つの自治体の試験ですが、当時の私は、留学時代あまり勉強しなかったことに対し、自己嫌悪に陥っていました。
そのため、仕事が終わった後に猛勉強しており、1日の睡眠時間が、一時期は4時間程だったと思います。
その甲斐あって、受験段階で(旧)HSK8級と中国語検定準1級に合格していました。
結果、両方の自治体で一次試験を通過、二次試験に進むことになります。
以降、そのときのことを書いていきます。