私が受験した年度、「国際捜査官」の合格者は0名でした。
前回の記事(特別捜査官受験記!(第3回)国際捜査官の受験者のスペックは?【記事3.6】)では、募集枠1名の国際捜査官(警察官)に対し、7名の受験者が集まったと述べました。
そのうち、一次試験を突破したのは、私(留学経験2年)と中国出身の女性(日本に帰化)です。
私は一次試験を通過したことで、気持ちにある程度余裕がありました。
確かに、中国出身の女性は中国語ネイティブ、そのうえ、日本語も非常に流暢です。
募集枠は1名なので、普通に考えれば、不合格となるのは私でしょう!
しかし、私はいくつかの自治体で、募集が1名でも、実際には2~3名の合格者が出ることが珍しくないことを調べていました。
そのため、2名共合格することは、十分にありえると思っていました。
それを知ってか、もう一名の受験者である女性にも、若干の余裕がみられました。
ここでは、まだ私も彼女も、「中国語」以外に大きなミスがあったことに、まだ気付いていませんでした。
【写真3.7】巨大なカルデラ。広大な大地を有する中国ならではの魅力である(出典:写真ac)。
さて、迎えた二次試験(最終試験)、受験科目は、体力試験、面接試験(日本語並びに中国語)です。
試験当日は、まず午前中に体力試験を受けました。
体力試験の種目は、腕立て伏せ、腹筋、反復横跳び等であったと記憶しています。
国際捜査官は「警察官」であることから、警察官として必要な体力試験に合格しなければなりません。
実際、私ともう一名の受験者である女性も、一般の警察官採用試験受験者と共に、彼らと同一の体力試験を受けました(男女で要求される体力は異なります)。
このとき、彼女が「体力試験に対する対策を全くしていなかったこと」が分かりました。
以前、市役所で働く知人から「公務員試験では、専門試験等の筆記対策に注力する一方で、適性試験等の対策が漏れている受験生がいる」と聞いたことがあります。
おそらく、彼女も専門試験(中国語)に気を取られてしまい、体力試験対策を忘れてしまっていたのでしょう。
体力試験は、得点ではなく、基準に達したかどうかで判定されます。
従って、どれだけ筆記や面接試験で高得点を叩き出しても、体力が基準に満たなければ、不合格となってしまいます。
尚、「ミス」をしていたのは彼女だけでなく、私も同様でした。
続いて迎えた中国語による面接試験、試験官に一次試験のことを質問され、私は一瞬で青ざめました。
一次試験の中国語科目では、(旧)HSK初中等から抜粋された問題のほかに、最後のページに作文問題があったらしいのです。
私はこの瞬間まで、全くそのことに気付いていませんでした。
つまり、作文問題(大問)まるまる未解答だったのです。
こうして、国際捜査官採用試験は、合格者0名で終わりを告げました。