今回の記事(後編)では、日雇い労働ではどのような仕事をするのか、その内容について書きます。
前回の記事(日雇い労働の実態とは?スポット派遣で働いていた頃の話!(前編)【記事3.12】)にも書きましたが、私は日雇い労働で辛い思いをした経験から、「勉強しなければ苦労すること」を痛感しました。
日雇い労働をしていたのは、15年以上も前ですが、このときの辛い経験が、今でも勉強のモチベーション維持に役立っています。
そこで、勉強のモチベーションを保つことが難しいという人のお役に立てればと思い、語学との関係はありませんが、日雇い労働の経験を書くことにしました。
さて、私が携わった日雇い業務で最もきつかったのは、「引っ越し」、「建築現場」、「倉庫」の仕事です。
倉庫における仕事とは、荷下ろし作業です。
大型トラックで運ばれてきた冷凍海産物等の積荷を、倉庫で受け取るというものです。
積荷を下ろすだけなので、作業手順自体は極めて簡単です。
しかし、問題は積荷の重さです。
1ケース当り20~30kgあります。
それを、次々とトラックから下ろし、パレットの上に載せていくのです。
これは、本当に辛い作業です。
30分で腕が痛み、上がらなくなります。
日雇いで派遣されてきた人たちは、一斉に音を上げます。
一方で、その倉庫で働いている正規の従業員の方々は、淡々とこなしていきます。
当然ながら、彼らは皆プロレスラーのような体格です。
私ら日雇い派遣メンバーは、彼らから怒鳴られ続け、以後はこの倉庫作業を断るようになります。
私も3~4回経験して、あとは断るようになりました。
【写真3.13】中国の古代都市風景。幻想的な魅力を感じる(出典:写真ac)。
以上のように、日雇い労働は相当な大変な仕事ですが、それにも関わらず、立場が非常に不安定です。
いわゆる「正規雇用」と比べて、法律面で保護されることがほとんどないからです。
怪我や病気になっても、派遣会社から「有給休暇」を与えられることはありません。
「健康保険」や「厚生年金保険」への加入も無く、自費で「国民健康保険」や「国民年金」に加入する必要があります。
もちろん、フリーランスとして活動をしているITエンジニアや経営コンサルタントなども正規雇用ではないとう面では同じです。
しかし、彼らは高い専門性を武器に、敢えてフリーランスという働き方をしているのです。
どの会社にも必要とされないため、仕方なく日雇い労働をしている私とは、そもそもの前提が違います。
日雇い労働で生計を立てていた一年間は、将来どうなるんだろうと、いつも不安に感じていました。
今でこそ正規雇用で働くことができていますが、それでも「始発電車」のアナウンスを聞くと、当時の嫌な記憶が蘇ります。
日雇い労働時代は、朝早く日が昇らないうちに電車に乗ることが多かったです。
あの肌寒くて薄暗い早朝に家を出るときは、いつも惨めな気持ちでした。
以上、日雇い労働をしていたときの話でした。