この記事では、大衆に愛されている庶民食、焼き小籠包を紹介します。
焼き小籠包は、中国語で「生煎包」と言い、文字通り小籠包を焼き上げて作る料理です。
美味しいうえに、リーズナブルな値段で食べることができます。
中国、特に上海とその近郊の焼き小籠包が最も有名です。
焼き上げても、一口噛むと熱々の肉汁が口いっぱいに溢れるあの美味しさはそのままです!
焼き小籠包の底面はパリッとした食感で、柔らかな餡子との対比が、一層旨味を引き立てます。
一般的に、刻んだ葱や黒胡麻を振りかけて焼き上げます。
難点を挙げるとすれば、若干脂っこいので、多く食べることはできない点です。
もちろん、脂っこい料理が好きな人にとっては、全く問題無いと思います。
【写真2.10】美味しそうに出来上がった焼き小籠包。焼き上げていることで、持ち運びしても、皮が破れて肉汁がこぼれることが少ない(出典:写真ac)。
焼き小籠包の材料ですが、蒸して作る小籠包と同じく、挽肉で作った餡子と小麦粉で作った皮がメインとなります。
餡子は、豚の挽肉に刻みネギや酢、塩等を混ぜて作ります。
それから皮で包み、油をたっぷりと敷いた底が平らな鍋でこんがりと焼き上げます。
また、焼きながら、ブラシなどで小籠包の側面や上部にも油を塗り、黒胡麻と刻みネギをふりかけます。
出来上がったら、蒸して作る小籠包のようにタレをつける場合もあるようですが、一般的にはそのまま食べます。
中国では、レストランの軒先や屋台で、平らな大きな鍋でたくさんの焼き小籠包を焼き上げている様子をよく目にします。
香ばしい焼き小籠包の香りが辺り一面に漂い、食欲をそそります!
尚、個人的に私が最も美味しいと感じたのは、上海にある「豫園」の焼き小籠包です。
豫園は、500年以上前の「明」の時代に造られた庭園で、有名な観光地です。
観光地なので、値段はやや高めですが、最高の味でした。
焼き小籠包は、東京都内を中心に、日本でも食べられるところが多くなってきています。
通信販売でも購入できるようになってきていて、あの美味しさが日本人の間でも定評を得ている証でしょう。
ちなみに、私は食べたことはありませんが、焼き小籠包(生煎包)と似た名前の料理で、水煎包という食べ物もあるようです。
生煎包が平らな底の鍋にたっぷり油を敷いて焼くのに対し、水煎包は水を敷いて蒸し焼きにするようです。
こちらは脂っこさが無さそうで、食べやすい印象です。
ただ、餡子も皮も、生煎包とは全く違う材料で作られているようなので、食感がどうなのかは分かりません。
以上、中国のグルメ、生煎包の紹介でした。