私が副業を始めて感じた会社勤めの長所、それは「労働時間に対して、必ず相応の対価(最低賃金以上の額)が支払われること」です。

 私は本業として会社員、副業として翻訳者をしています。

 本業における私の担当は総務経理で、簡単な業務から若干難しいものまでさまざまです。

 当然ながら、簡単な業務に携わった時間があっても、そのぶん給料が減少することはありません。

 同じく、失敗を犯すことがあっても、給料が減ることはありません。

 それどころか、ミスしたことをやり直して残業をすれば、残業代まで支給されます。

 つまり、決められた時刻に出社し、決められている時間を働けば、仕事の成果に関わらず、給料が貰えます。

 「仕事の報酬=時間」だと言えるでしょう。

 それに対して、翻訳は個人事業であるので、労働時間に比例して報酬が貰えるわけではありません。

 例えば、受注した案件を10時間でやり遂げても、倍の20時間を費やしても、報酬は変わりません。

 自身のミスに途中で気付いてやり直しをした時間は、もちろん加味してもらえません。

 まさに「仕事の報酬=成果」だと言えるでしょう。

 この点が、最低賃金以上が必ず保証される被雇用者との大きな違いです。

 身近な例では、Youtuberが、多くの時間を費やして、一生懸命に動画を作ったりとしても、それが再生回数に結び付くかどうかは分からないのと同じだと言えるでしょう。

 【写真3.14】中国香港の高層住宅。天まで届くかのような勢いを感じる(出典:写真ac)。

 私自身、事業(副業)は将来への投資だと考えています。

 私の場合は翻訳ですが、現在の報酬は低くても、将来大きなリターンとなって戻ってくることを見込んでいます。

 例えば、報酬2,000円の翻訳に4時間掛かっていたものが、経験を積むことにより、1時間で出来るようになるかもしれません。

 そうなれば、時給換算で500円だったものを、2,000円に上昇させることができます。

 また、翻訳技術が向上すれば、1文字当たりの翻訳単価が上がります。

 1文字1円だった翻訳単価が2円になれば収入は2倍に、3円になれば3倍に跳ね上がります。

 1万文字の翻訳ならば10,000円だった報酬が、20,000円や30,000円になるということです。

     労働時間によって収入が決まる会社勤めであれば、いくら早く仕事を完成させても、給料が2倍や3倍になることはありえないでしょう。

 労働時間ではなく、成果で報酬が決定される「事業者」ならではの醍醐味と言えます。


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