翻訳の仕事を始めてはや2年、翻訳者が自らの専門分野をもつことは必要不可欠だと改めて感じています。
その理由は、次の3つです。
①専門が無いと、登録できる翻訳会社が限定される!
現在多くの翻訳会社は、専門分野ごとに翻訳者を募集しています。
例えば、「医薬」、「工業」、「特許」、「金融」、「法務」等の分野ごとに翻訳者を募集しています。
また、トライアル(登録試験)の内容も、各分野の専門知識が必要なものとなっています。
よって、専門分野が無いと、これらの翻訳会社に登録できないことになります。
②専門が無いと、一定上の翻訳報酬をもらうことができない!
現時点で、私はクラウド翻訳会社を含む4社のトライアルに合格していますが、翻訳単価に3倍の開きがあります。
そのうち、最も高い翻訳単価を提示してくれたところは、専門分野が無ければ応募できない会社でした。
③専門が無いと、キャリアの幅が広がらない!
専門知識が必要となる翻訳に携わると、自ずとその分野をより深く学ぼうと考えたり、周辺分野を理解しようと考えたりするようになります。
財務会計であれば、その考え方の拠り所なる税法を学んでみようとか、同じ分野である管理会計を学んでみようという意識が芽生えます。
これにより、自身のキャリアの幅が、より広く、より深くなっていきます。
以上が、2年間の翻訳経験を経て思うことです。
【写真1.20】台湾の屋台風景。なかでも臭豆腐は有名な郷土食である(出典:写真ac)。
さて、翻訳者にとって専門が必要である理由は書きましたが、では、どのくらいのレベルまで専門を深めればよいのでしょうか。
これについては、何とも言えないというのが現状です。
私がトライアル(金融分野)を受けたところでは、連結損益計算書が出題されたので、その範囲の知識があれば良いのではないでしょうか。
検定試験で言えば、日本商工会議所の簿記1級の商業簿記・会計学を学習済であれば問題無いと思います。
私は4社の翻訳会社のトライアルに合格していますが、その後に携わった翻訳案件は、トライアルで受験した内容とは全く関係ない分野です。
そのため、トライアル受験分野とは関係無く、今後依頼がくると思われる分野(今後携わっていきたい分野)の勉強も始めています。
尚、専門分野を選ぶ際は、興味関心が高い分野を選ぶのが良いと思います。
依然私は需要が高い高そうな分野だと思い、工業分野を一時勉強したのですが、難しくて挫折しました。
よって、学習が続けられそうな関心のある分野を選択するのがベストだと思います。